ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)の除菌療法について

Helicobacter pylori eradication therapy

ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)の除菌療法について|枚方市の内科・消化器内科・循環器内科 - 医療法人優和会 関根医院

ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)の除菌療法について

Helicobacter pylori eradication therapy

除菌の意義

H.pyloriの除菌によって、胃がん罹患率が0.61倍、55歳以上では0.36倍、死亡率も0.26倍に低下したとされています。

除菌薬について

標準的なH.pyloriの除菌療法は、胃酸抑制薬と2種類の抗菌薬の計3種類の薬物を7日間使用します。
抗菌薬のアレルギーがある方は、必要に応じて種類を変更する必要があります。

除菌判定について

複数の判定方法がありますが、推奨されているのは、「尿素呼気法」です。
H.pyloriが胃内に存在する場合ウレアーゼ活性によって尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する性質を利用します。
この方法は、13Cを含む尿素を内服し、分解されてできた13CO2が呼気からどれくらい検出されるかで判定します。
除菌後4週間以上空けて判定します。

また、ABC検診で使用される抗体法は、除菌後1年以上も残ることがあリます。
除菌判定に使用する際は6ヶ月以上空けて検査を行い、抗体価が低下することで判定します。
この方法では、除菌前と除菌後の最低2回測定する必要があり、除菌後の結果が陰性でも抗体価がある程度高い場合は、別の方法で検査を行う必要があるのであまり推奨されていません。

除菌後の胃カメラについて

H.pyloriは除菌しても、胃がんなどのリスクが完全になくなるわけではないことが最近わかってきました。
H.pylori除菌前の胃カメラで発見できないほど微小ながん細胞が大きくなってくることもあり、除菌後10年以上経過しても、胃がんに罹患した例が報告されています。
除菌後の10年間の毎年胃カメラ検査のみならず、その後も定期的に胃カメラ検査を受ける事が推奨されています。