心血管疾患の予防(高血圧・動脈硬化) — 日常生活でできること

Cardiovascular prevention

心血管疾患の予防(高血圧・動脈硬化) — 日常生活でできること|枚方市の内科・消化器内科・循環器内科 - 医療法人優和会 関根医院

心血管疾患の予防(高血圧・動脈硬化) — 日常生活でできること

Cardiovascular prevention

心筋梗塞や脳卒中といった「心血管疾患」は、日本人の死因の上位を占め続けています。突然発症して命に関わるだけでなく、後遺症によってその後の生活が大きく制限されてしまうことも少なくありません。

しかし、こうした病気は「ある日突然」起こるわけではなく、長年にわたる高血圧や動脈硬化といった状態の積み重ねによって発症します。つまり、日々の生活習慣を見直すことで、かなりの部分を予防できるのです。

今回は、日本のガイドラインをもとに、ご自宅で実践できる具体的な工夫をわかりやすく解説します。

ご自身だけでなく、ご家族の健康を守るきっかけとしてお役立てください。

高血圧と動脈硬化のつながり

  • 高血圧とは、血管にかかる圧力が常に高い状態。血管の壁に絶えず負担がかかるため、傷つきやすくなります。
  • 動脈硬化は、血管が硬くもろくなり、内側にコレステロールなどが蓄積して血流が悪くなる状態です。

高血圧と動脈硬化は「車の両輪」のようにお互いを悪化させ、進行すると心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。

1. 食生活の工夫 — 家族みんなで取り組む

食事は毎日の習慣だからこそ、改善効果が大きく出ます。

減塩を意識する

ガイドラインでは「1日6g未満」が推奨されています。日本人の平均摂取量は9〜10g程度といわれ、意識しないと達成が難しいのが現状です。

例えば

  • 味噌汁を1日1杯に抑える
  • しょうゆは「かける」より「つける」
  • 漬物やインスタント食品は控えめに

家庭で「だし」の活用、レモンや香辛料で味にアクセントをつけると減塩でも満足感が得られます。

バランスの良い食事

  • 野菜・果物は1日350g以上
  • は週2回以上、特に青魚は血管にやさしいDHAやEPAが豊富
  • 大豆製品(豆腐、納豆、味噌)は良質なたんぱく源
  • は赤身や鶏肉を中心に、脂身は控える

お子さんやお孫さんと一緒に食卓を囲むときに、自然にこうした習慣を取り入れることが、家全体の健康づくりにつながります。

アルコールは「たしなむ程度に」

  • 男性は1日20g(日本酒1合、ビール中瓶1本程度)
  • 女性は10g以下

「休肝日」を1週間で連続せず2日間を設けることが理想です。

2. 運動習慣 — 無理なく続ける

運動は「内服薬」と同じくらい効果があるといわれています。

  • 1日30分のウォーキングを週5日以上
  • 通勤で一駅歩く、買い物に自転車を使う
  • 家の中では、掃除や片付けも立派な運動

「続けられる強さ」で行うことがポイントです。

3. 体重管理 — 少しの減量でも効果大

肥満は高血圧や糖尿病、脂質異常症の土台となります。

  • 目標はBMI25未満
  • 「2kg減らす」だけでも血圧や脂質が改善することが実証されています
  • 体重を「毎日同じ時間に測る」習慣が、自然と生活改善につながります

家族で一緒に体重を記録するなどで取り組むのがおすすめです。

4. 禁煙 — 家族のためにもゼロ本に

喫煙は心血管疾患の最大のリスク因子です。タバコの煙は家族の健康にも影響します。

  • 「1本だけ」でも血管に悪影響を与えます
  • 禁煙外来や補助薬を利用すると成功率は大幅に上がります
  • ご家族の応援が禁煙成功のカギになります

5. 睡眠とストレス管理 — 見えないリスクに気づく

  • 睡眠不足は血圧上昇やホルモンバランスの乱れを招きます
  • ストレスが続くと、暴飲暴食や喫煙・飲酒に頼りがちになります

就寝前のスマホは控え、深呼吸やストレッチを習慣にしましょう。ご家族で「一緒にリラックスタイムを持つ」ことも有効です。

6. 定期健診で「早めに気づく」

自覚症状がないまま進行するのが高血圧や動脈硬化の怖い点です。

  • 血圧測定
  • 血液検査(コレステロール・血糖・HbA1c)
  • メタボリックシンドロームのチェック
  • 心電図検査や頸動脈エコー検査

健診結果の「要経過観察」の項目は、かかりつけ医に相談することが大切です。

患者さんからよくある声

  • 「塩分控えめにしているつもりでも、外食でどうしても摂りすぎてしまう」
  • 「ストレスで食べてしまう」
  • 「仕事が忙しくて運動の時間が取れない」
  • 「家族がタバコをやめてくれない」

こうした悩みは珍しくありません。大切なのは「完璧を目指さず、できることから始める」ことです。

まとめ

心血管疾患は「生活習慣病」と呼ばれる通り、毎日の選択の積み重ねで大きくリスクが変わります。

  • 減塩とバランスの良い食事
  • 毎日の軽い運動
  • 適正体重の維持
  • 禁煙
  • 良い睡眠とストレスケア
  • 定期健診でのチェック

これらを無理なく続けることが、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐ最良の方法です。

ご自身の健康はもちろん、ご家族の健康を守ることにもつながります。
「今日からできる一歩」を大切にして、ぜひ生活に取り入れてみてください。

当院では血圧測定や生活習慣に関するご相談を随時受け付けています。

ご本人だけでなく、ご家族の健康についてもお気軽にご相談ください。