関根医院 医学ライブラリー
「発熱」
Library - Fever
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「発熱」
Library - Fever
Fever

発熱は、私たちが日常で最もよく経験する症状の一つです。
風邪やインフルエンザなどの感染症が多い一方で、肺炎や尿路感染症、胆のう炎、髄膜炎など早期の診断・治療が必要な病気が隠れていることもあります。
さらに、薬の副作用、膠原病や悪性腫瘍など感染症以外が原因となることもあります。
「熱がある=風邪」と決めつけず、年齢、持病、症状の経過、生活背景なども含めて原因を考えることが大切です。
関根医院では、総合診療専門医の視点から、発熱の原因を幅広く考え、必要な検査・治療をご提案しています。
日本人の平均体温は36.65℃〜36.98℃とされています。一般的には37.5℃以上を発熱の目安としますが、平熱には個人差があります。普段より明らかに高い状態が続く場合や、体温がそれほど高くなくても全身状態が悪い場合には注意が必要です。発熱は、感染症や炎症などに対して体温を上昇させる身体の反応であり、身体に何らかの異常が起きていることを知らせるサインの一つです。
そのため、「何度まで熱が出たか」だけではなく、
などを総合的に判断することです。
発熱がある場合、咳や鼻水、腹痛、排尿時痛などから原因となる臓器をある程度推測できることもあります。一方で、症状がはっきりしない場合や、高齢者のように典型的な症状が出にくい場合もあります。
総合診療では、症状だけから一つの病気を決めつけるのではなく、「身体のどこに発熱の原因があるのか」を頭から足先まで順番に考えていきます。
発熱に頭痛や意識障害、けいれん、首の硬さなどを伴う場合には、髄膜炎や脳炎などを考えます。特に細菌性髄膜炎は急速に重症化するため、強い頭痛、繰り返す嘔吐、意識がおかしい、首が動かしにくいなどの症状がある場合は、早急な医療機関への受診が必要です。
目の周囲の強い腫れや痛み、視力低下を伴う発熱では、眼窩蜂窩織炎などが原因となることがあります。耳では中耳炎や乳様突起炎、外耳道炎などが発熱の原因となることがあります。また、鼻や副鼻腔の炎症では副鼻腔炎がみられ、顔面痛や鼻づまり、頭痛を伴うことがあります。
歯周病や歯の根の感染、扁桃炎なども発熱の原因になります。
強いのどの痛み、口が開けにくい、飲み込みにくい、声が変わる、首が腫れるなどの場合には、扁桃周囲膿瘍や深頸部感染症を考えます。
また、首の痛みを伴う発熱では、亜急性甲状腺炎などの甲状腺疾患も考えられます。
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、気管支炎、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎など、さまざまな病気があります。
高齢者では、肺炎でも咳や痰が目立たず、「なんとなく元気がない」「食欲がない」「息切れがする」といった症状だけの場合もあります。
原因不明の発熱で特に注意したい病気の一つが心臓の弁に感染を起こす感染性心内膜炎で、心雑音、息切れ、手足の痛みなどを伴うこともあります。
また、深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症などの血栓症でも発熱することがあります。片側の足の腫れや痛み、突然の息苦しさ、胸痛がある場合には注意が必要です。
右上腹部痛や黄疸を伴う発熱では、胆のう炎や胆管炎などを考えます。
胆管炎は、胆石や腫瘍などによって胆汁の流れが悪くなり、細菌感染を起こす病気で、重症化すると敗血症につながることがあります。
肝膿瘍、急性肝炎、急性膵炎なども原因になります。
腹痛や下痢、嘔吐を伴う発熱では、感染性胃腸炎のほか、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞なども考えます。特に高齢者では、症状が典型的ではないことがあります。
急性腎盂腎炎では、高熱、悪寒、腰痛、吐き気などを伴うことがあります。
尿管結石などによって尿の流れが悪くなった状態で感染を起こす閉塞性腎盂腎炎は、急速に重症化することがあります。
男性では急性前立腺炎、女性では骨盤内炎症性疾患、子宮内膜炎、卵管・卵巣膿瘍などが発熱の原因となります。
下腹部痛、排尿症状、不正出血などを伴う場合には、泌尿器や婦人科の病気についても検討します。
「発熱と腰痛」「発熱と背部痛」が続く場合には、化膿性脊椎炎や腸腰筋膿瘍などを考えます。高齢者、糖尿病、透析患者、免疫力が低下している方などでは発症リスクが高くなります。
また、関節が赤く腫れて強く痛む場合には、化膿性関節炎のほか、痛風や偽痛風などの強い炎症性疾患も考えます。
蜂窩織炎、丹毒、皮下膿瘍などの皮膚・軟部組織の感染症も発熱の原因になります。
明らかな感染巣が見つからない場合や発熱が続く場合には、使用中の薬による薬剤熱や膠原病や血管炎などの自己免疫疾患、悪性リンパ腫や白血病などの血液疾患が原因となることがあります。
まれに、繰り返す発熱や原因不明の炎症が続く場合には、自己炎症性疾患などが原因となることもあります。
発熱の診療では、「熱があるから感染症」と決めつけず、身体を頭から足先まで確認することが重要です。
例えば、「頭・脳 → 目・耳・鼻 → 口・のど・首 → 肺 → 心臓 → 肝・胆・膵・腸 → 腎・尿路 → 骨盤内 → 脊椎・関節 → 足・皮膚」
このように考えることで、感染巣や炎症の原因を見逃しにくくなります。
※判断に迷う場合でも、症状が急速に悪化している場合や、普段と明らかに様子が違う場合には、早めに医療機関へご相談ください。
発熱は、身体が何らかの異常を知らせている重要なサインです。多くは一時的な感染症ですが、ときには肺炎など、早期の診断と治療が重要な病気が隠れていることもあります。
「ただの風邪だろう」と自己判断せず、症状の経過や全身状態を確認し、必要に応じて適切な検査を受けることが大切です。
患者さんの症状に応じて必要な検査をご提案します。
「とりあえず検査をたくさんする」のではなく、診察で得られた情報をもとに、必要な検査を選択します。
関根医院では、「熱がある」という症状だけを見るのではなく、その背景にある原因を考えることを大切にしています。同じ38℃の発熱でも、年齢や持病、症状、これまでの経過によって考えるべき原因や必要な対応は異なります。例えば、高齢者では肺炎でも咳や痰が目立たないことがあります。また、熱が続く場合には感染症だけでなく、自己免疫疾患や悪性腫瘍なども視野に入れて診療を進めます。
必要に応じて高度医療機関とも連携しながら、適切な診断・治療につなげています。
発熱の原因は一つではありません。だからこそ、症状だけでなく、その方の年齢、持病、生活背景、これまでの経過も含めて診る総合診療が大切だと考えています。
関根医院では、日本専門医機構認定 総合診療専門医、日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医が診療を担当しています。
必要に応じて血液検査、尿検査、レントゲン検査、CT検査、超音波検査などを組み合わせ、発熱の原因を総合的に評価します。
また、より高度な検査や入院治療が必要と判断した場合には、地域の専門医療機関と連携し、適切な診断・治療につなげます。
「発熱が続く。原因が分からず心配。どの診療科を受診すればよいか分からない。」
そのような場合も、まずは関根医院にご相談ください。
※本記事は一般的な医学情報を提供することを目的としています。実際の診断や治療は、症状、診察所見、検査結果などを総合的に判断して行います。